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【イベント報告】空路はドローン、陸路は小型EV『I-Cargo』で。2/20、うきは市で行われた過疎地域に向ける医薬品配送の実証実験に参加しました

官民連携の新“ハイブリッド“配送

この空と陸を組合せるラストマイル配送の実証実験が行われた福岡県うきは市は、2050年カーボンニュートラル実現を推進する環境省から「脱炭素先行地域」に指定された自治体です。高齢化と過疎化の同時進行という地方自治体共通の悩みを持つ同市にとって、特に課題となっているのが「医療困難者」への支援。実際に山間部などでは病院に通うことが難しかったり、薬局への医薬品配送に時間がかかる、あるいは薬自体が手に入りにくいなどの状況が常態化しています。対応策として一昨年、福岡市の西久大運輸倉庫株式会社(以下「西久大運輸倉庫」)と株式会社トルビズオン(以下「トリビズオン社」)、うきは市との3者間で「ドローンを活用した持続可能な地域づくりに関する連携協定」が締結され、新しい物流インフラの構築を念頭に置いた研究が続けられる中、今回はより具体的な薬局間の医薬品在庫の移動を想定した、ドローン(空路)と『I-Cargo』(陸路)を併用する“ハイブリッド”配送の実験です。

医薬品を携えて飛行するドローン(写真:トリビズオン社)
トリビズオン社のドローンが1.1km離れた集配先薬局から医薬品を運んで、無事着陸
ドローンが集荷した医薬品を『I-Cargo』に積み替えて、市街地の配送先薬局へ出発
軽バンより手軽なEV『I-Cargo』なら市街地での渋滞や狭路を気にせず移動でき、CO2も排出しない

クリーンで効率の良い配送システム

実験当日は、西久大運輸倉庫の営業所に見立てた市体育センター運動場からドローンが離陸、河川上空を通って1.1km先の集荷先薬局まで飛行し、医薬品を受取って営業所(運動場)に帰投。ここで『I-Cargo』に荷物を積み替え、住宅が密集する市街にある 配送先薬局へ無事、医薬品を配達しました。こうしたBtoBの医薬品配送では、ドローン(空路)と『I-Cargo』(陸路)を組み合わせることで交通渋滞の影響を受けにくくなり、薬局間の在庫調整の効率アップや廃棄薬の削減にもつながります。また従前の軽バン(ガソリン車)による集荷、配送が複数のドローンと『I-Cargo』に替わることで、地域単位でのカーボンニュートラルが促進される効果も期待できるのです。

荷物を抱えて空を舞うドローンと、渋滞を尻目に市街地を縫うように走るEV『I-Cargo』。今後も今回と同様の実証実験が予定されており、今までにないクリーンで効率の良いBtoB配送システムが実装される日は、案外近いかもしれません。